吉行理恵

2008年5月5日 読書
吉行理恵
吉行理恵が好き。

言葉の紡ぎ方が好き。丁寧にそれは丁寧に推敲された、美しい文章。

対象物との距離のとり方が好き。曖昧さがない。そこにはきっちりとした「表現」がある。

作品のなかに足を踏み入れると、彼女の描く世界の、ただの傍観者はでいられなくなる恐ろしさがある。これを読書の醍醐味と、言うよ?

最後の沈黙の長い年月。
これは、本人の望むところだったのかどうかは、わからないのだが。
もしかしたら、苦しさに満ちていたのかもしれないのだが。
それにしても。
凛とした佇まいを、想像させてくれて、心が、しんとなる。

こんなに素晴らしい作家にもかかわらず。
掌から砂がこぼれるみたいに、作品が世の中から、消えて無くなってしまう。

本屋には、無神経な言葉の羅列ばかりが氾濫しているのにね。ものすごい不条理。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索