夏の気配が迫ってくると、体の隅々の細胞が、ベルセバを想ってそわそわする。
2年前の夏、フランスのサン・マロという、イギリス海峡に面した要塞都市の、ロック・フェスティバルで、ベルセバのライヴを見た。
崩れかかった城壁の果ての原っぱの、(日本のロックフェスに比べれば相当に)シンプルなステージで、いくつものバンドが演奏して、夏時間の遅く、日の暮れかかるちょうどそのとき、ベルセバが現れたのだ。
きゃー!と押し寄せる人々に混じって、当然私もステージに向かって前進する。するとフランス人というのは割合鷹揚なところがあって、チビの私を、どうぞどうぞと、前へ押し出してくれて、気がついたら最前列だった。
ベル・セバのメンバーは皆、フレンドリーでくつろいだ表情で、のびのびと演奏を楽しんでいた。
海から来る潮風と、原っぱの草の匂い、陽が落ちていく空の色の移り変わり、そしてベルセバの音楽。その心地よさ、楽しさ、高揚する気持ち。これを至福と呼ばずになんと言える?
夢のようなライヴの後、長年ベルセバファンをしているというフランス人に話しかけられた。
「今日のライヴ、最高だったね!君、日本から来てるの?いいなあ、彼らはよく日本へ行くよね?フランスではあまりライヴをやらないんだよ」
「でもね、東京の息が詰まるようなライヴハウスで聞くより、今日のほうが全然よかったよ。彼らも、心から楽しんでたし!」
おみやげ物屋さんで、THE LIFE PURSUIT の黒い大ぶりな布のカバンを買った。大きな画用紙でもそのまま入れられる、便利物だと思った。
そして、年が明けまもなく、次女が立て続けに病いに罹り、レントゲンやCTの大きなフィルムを持って移動するのに、このカバンが大活躍したわけだが、もちろん、このとき、そんなことは知る由もなかった。
2年前の夏、フランスのサン・マロという、イギリス海峡に面した要塞都市の、ロック・フェスティバルで、ベルセバのライヴを見た。
崩れかかった城壁の果ての原っぱの、(日本のロックフェスに比べれば相当に)シンプルなステージで、いくつものバンドが演奏して、夏時間の遅く、日の暮れかかるちょうどそのとき、ベルセバが現れたのだ。
きゃー!と押し寄せる人々に混じって、当然私もステージに向かって前進する。するとフランス人というのは割合鷹揚なところがあって、チビの私を、どうぞどうぞと、前へ押し出してくれて、気がついたら最前列だった。
ベル・セバのメンバーは皆、フレンドリーでくつろいだ表情で、のびのびと演奏を楽しんでいた。
海から来る潮風と、原っぱの草の匂い、陽が落ちていく空の色の移り変わり、そしてベルセバの音楽。その心地よさ、楽しさ、高揚する気持ち。これを至福と呼ばずになんと言える?
夢のようなライヴの後、長年ベルセバファンをしているというフランス人に話しかけられた。
「今日のライヴ、最高だったね!君、日本から来てるの?いいなあ、彼らはよく日本へ行くよね?フランスではあまりライヴをやらないんだよ」
「でもね、東京の息が詰まるようなライヴハウスで聞くより、今日のほうが全然よかったよ。彼らも、心から楽しんでたし!」
おみやげ物屋さんで、THE LIFE PURSUIT の黒い大ぶりな布のカバンを買った。大きな画用紙でもそのまま入れられる、便利物だと思った。
そして、年が明けまもなく、次女が立て続けに病いに罹り、レントゲンやCTの大きなフィルムを持って移動するのに、このカバンが大活躍したわけだが、もちろん、このとき、そんなことは知る由もなかった。
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