Chicken Zombies

2008年10月14日 音楽
日本に住まいを移してもうすぐ10年になるのだが。

何故、日本に帰ってきたかと言うと。

1997年の暮れ、私はまだ小さかった長女(実に、まだ3歳だった)を連れて、一時帰国していた。
実家の自分の部屋でテレビの音楽番組を眺めていたら、「THE BIRDMEN」のビデオクリップがかかったのだ。
「カッコイイ!!!!!」
友達に電話して、このバンドの正体を突き止め、アルバム「Chicken Zombies」をゲットして、フランスへ戻った。

来る日も来る日も、このアルバムを聞き続けて、彼らのライヴへ行きたい欲求がどんどん膨らんでいった。

そして、ある日。私は夫に宣言した。
「あたし、日本に帰る。それで、もーずーっと、日本で暮らす」
驚いて、あせる夫。
「え?子供はどうするの?」
「連れて帰る。あなたも付いてきたかったら、付いてきてもいいわよ」

当時暮らしていた南フランスでの生活に私が満足していないことは、夫も気付いていた。
なんというか、私の性に合わない場所だったのだ。

「わかった。わかったから、1年待って」
夫は、そう懇願した。
彼は自分の仕事を気に入っていて、会社側も彼に期待をかけていた。だから、それを犠牲にして日本へ行くのはもったいないなあと、私は他人事のように思っていた。

しかしついに。
夫は、日本の会社でのポストを見つけ、ローンの返済が山ほど残ったアパルトマンを売りに出し(すごい損したー!)、私たちは、1998年の暮れに、3人で日本へ帰ってきた。

そしてめでたく、私は、ミッシェル・ガン・エレファントのライヴに行くことができた。あー、楽しかった、あの日々。長女なんか、あっちゃこっちゃに預け、ライヴ行きまくったもんね。

そんな私の思惑など知らなかった夫だが、ある日、控えめに、私に要求してきたのだ。
「君の希望通り、こうして日本へ帰ってきたのだから、僕の希望もひとつ聞いてもらえないだろうか?」
「な、なに?」
「もうひとり、子供が欲しい」

ええええ???
子供は長女一人で十分だと思っていたのに。第一、妊娠したら、ライヴ、行けなくなるじゃん?(このバンドのライヴは時として客が暴動化するのだった)

でも。
夫がちょっと気の毒に思えたので、希望をかなえてあげた。
で、生まれてきたのが、次女。
私は妊娠6ヶ月までライヴへ行き、出産後も行き続け、2003年に、ミッシェルは解散した。

だから、ホントのこと言うと。
私が日本に住んでなきゃならない理由は、もうないんだよねえ。

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