今の私は贅沢なことに、3つも部屋を持っている。

ひとつは、いわゆる主寝室。
フィンランド製の天蓋付きベッドで、私は眠る。
長女を産んですぐにフランスに引っ越したとき、先に現地で住まいを整えていた夫が、私のために買ってくれたベッドだ。
でもでもでも。
日本に舞い戻るとき、このベッドが入るマンションを見つけるのに苦労した…
おまけに、日本は埃がたまりやすいので、天蓋部分もカーテンも、全ての布地は取っ払わなくてはならなかった。
ので、柱と枠組みとカーテンを通すパイプのみが残った、残骸のような天蓋ベッドなのだ。が、まあ、一応、それでも、お姫様気分は味わえる。
(お姫様も残骸だから、いーのだ!という心境でもある?)

もうひとつは、次女の部屋。
ベージュにカラフルな格子縞のカーテン、白いクローゼット、ご自慢のバッグ類がブラさがったピノキオのハンガーラック。シルバニアファミリーが面積の半分を占める勉強机(勉強の合間に遊ぶのだそーだ)。
ベッドの上には、大好きなぬいぐるみと、枕代わりの肌触りのいいタオルが数枚と、洗面器(夜中にゲロ吐くことがあるから)。
彼女の布団に潜り込むと、まだ幼児の匂いがして、私は恍惚としてしまう。

それでもってもうひとつは、長女の部屋。
汚い。ウチでは、「地獄部屋」と呼ばれている。
脱いだものは脱ぎっぱなし、洗濯してやったものは、いつまで経ってもクローゼットにしまわず、床の上には、本が山済み。
机の上も訳のわからんカオス状態で、勉強するときはそのカオスをいったんベッドに移し、寝るときにカオスを机に戻すという、女子とは思えないような生活ぶり。
セーラー服を着て、長い髪を編んで、つんと澄まして闊歩しているから、よく知らない近所の人からは、「まあ、清楚なお嬢さんで」などと言われるが、あの汚部屋の写真を顔に貼り付けてやりたいぜ!と、常々思う。
でも、彼女のベッドに座って、壁に寄りかかると、手の届く場所には、その時々のお気に入りの音楽や本があり、青春の始まりの匂いがぷんぷんして、懐かしい気持ちになる。

だから。
彼女たちのいない昼間、少し休息したくなるとき、
「どの部屋でくつろごうかなあ」
と、ちょっとしたホテル気分で、私は部屋を選ぶ。


コメント

蒼月しおん
2008年11月12日8:28

t.p.さん^^

おはようございます^^

 >彼女の布団に潜り込むと、まだ幼児の匂いがして、私は恍惚としてしまう。

  この一文に共感して 思わずカキコ(笑)
  うちの次女はもう高校生ですが、ハグするとまだあかちゃんの匂いが^^

  なので たまに「ベビィちゃん♪」と擦り寄り・・
  娘に苦笑いされている・・そんな母親でございまする(笑)

la vie en rose
la vie en rose
2008年11月12日11:43

こんにちは、t.p.さん^^

うちの娘も長女さんのお部屋とまったくもって同じ状態です、
いや、もっとヒドイかも。
どうにかなりませんかね?

苦言を呈しても素知らぬ顔してます。
時々、蹴飛ばしたくなります。

しおんさんちもそうだけれど
末っ子ってワケなく可愛い・・
22歳になったおネエチャンでも(笑)

メロンパンナ
2008年11月13日0:13

蒼月しおんさま、la vie en roseさま、

下の子って、やっぱり、いくつになっても可愛いですよね!
そして、いくつになっても、可愛がっていいものなのですね!
思う存分、正々堂々と、可愛がり続けます!

長女の汚部屋は…私のエネルギーが枯渇しない程度に、叱咤していこうと思います…効果はなさそうですけど…

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