私が中東政治に興味がなかった頃、
仕事を通して、イスラエル人の友達が出来た。
彼女とは、某大使館のパーティーの片隅でエッチな話が出来るくらい、仲良くなった。

そこで、
彼女の国のこと、彼女の抱える問題を理解したくなった。
しかし、
知れば知るほどに、私はどうしたって、パレスチナ側につかざるを得なくなった。
私の理性と本能が、イスラエルを拒絶した。

そして、彼女と会うのが苦痛になった。
彼女の言い分に同意できない、しかし、そこで反論をすることもできない。
だって、彼女は絶対的にイスラエルが正しいと信じていて、他の意見に耳を貸さないばかりか、反イスラエル的な発言をする人々を憎んでいたから。

しかしそうこうするうち、彼女は別の国々に移り住み、私もフランスへ引っ越した。

正直、ほっとした。
私はパレスチナを支援すると表明できるようになった。
アラファト議長を支持すると言えるようになった。

なんだかんだと非難されることの多かったアラファト議長だったが、彼の死後は私の予想していた通りに、事態が悪化した。この先、パレスチナを引っ張っていくカリスマ性のある政治的リーダーは現れないだろう。

そしてイスラエルは、歯止めのきかない武力でパレスチナ人を迫害し続けることによって、アラブ世界のみならず、もっと広い範囲に属する人々の反感を買うだろう。アメリカのイスラエルロビーに対する嫌悪感も、増大してゆくだろう。

しかし、イスラエルもイスラエルロビーも、そんなことでへこたれはしないだろう。
彼らは、征服できるものの種類と範囲を、着実に広げていくだろう。

先日、友人Mが酒を飲みながら、ふと、漏らした。
「ある意味、ヒトラーって、間違ってなかったんじゃないの? ユダヤ人を野放しにしちゃいけないっていう彼の勘は、当たってたもん」
私は、胸を突かれる思いがした。
イスラエルの友人の、私の目には異常とも映る民族主義と、時として見せる、尋常ではない利己主義的な一面を思い出したから。それが、先天的なものなのか、後天的なものなのかはわからないけど。

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