永遠のタイムマシーンへ
私が赤ちゃんの頃、「帰ってきた来たヨッパライ」を聞かせるとご機嫌になったそうで、両親は面白がって、何度も聞かせたと言う。
なんと素晴らしい原体験!
私はこの音楽の洗礼を誇りに思っているが、その後、パンクロックへ傾倒して行った自分の音楽嗜好歴がわかりやす過ぎて、その単純さには眩暈を感じる…

さて、加藤和彦というと、すぐに「時代を先取りしてきたアーチスト」と紹介されがちだが、実際に先取りしていたのは、サディスティック・ミカ・バンドまでだろう。
その後は、安井かずみとともに日本の歌謡曲界に迎合した作品作りをしてきたし、最近では、フォークルの再結成や、ミカ・バンドの再結成をしたりなどして、過去を振り返りまくりの音楽活動だった。

今回の死は、決して行き詰ったわけでも、才能の枯渇を感じていたわけでもないだろう。

あらゆる状況が彼の美意識を苦しめることに、もう耐えられなくなり、そこから別の次元への一歩を踏み出したということなのだろう。

最近、大江健三郎の「チェンジリング」を読んでいるが、彼の死が、ふと伊丹十三の死とかぶってしまう瞬間がある。

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