ふと思い出したこと。
エネを妊娠したことがわかり、幸せムードのある日、かかっていた近所のクリニックから電話があり、話があるからすぐに来院して欲しいと言う。内容を聞いても、直接先生の口から聞いて欲しいの一点張りで埒が明かなかった。
子宮ガンの検査をしたから、その結果がよくなかったのか?
非常に不安な気持ちで眠れない一夜を過ごし、クリニックへ行くと、
「血液検査の結果、トキソプラズマの抗体が陽性になっていた。妊娠前から抗体があるのであれば問題ないが、妊娠してからだと、赤ちゃんが水頭症などになる可能性がある」
と、言われた。
ショックで口も聞けないまま職場へ行き、黙って仕事をした。そのときのあらゆる風景を覚えている。
帰宅後、夫にそれを話した。時には涙ぐみながら、静かに話し合い、どんな子が生まれても、大切に育てようという気持ちがお互いに強いことを確かめ合った。もっとも夫はカトリックなので、最初から何の選択の余地もないわけだったのだが…。
気持ちを固めて母に電話したら、母もショックを受けて…
「そんな!私は、玉のような赤ちゃんが生まれてくるとばかり思っていたのに…」
母の涙声を聞いたら、無性に悲しくなった。
その辺のノラ猫を可愛がってしまう自分の習慣を、呪った…。
しかし。
私と夫は、あることを思い出した。
フランスでは結婚する際、区役所に出す書類の中に、健康診断書というものがある。
そのため、夫の家族のかかりつけのクリニックで、私たちは健康診断を受けたのだ。あの時、血も採られた。ということは!
夫は実家に電話して、クリニックの医師に連絡を取ってもらい、そのときの私の血液検査の結果をファックスしてもらった。すると! 私は、その時点で、トキソプラズマの抗体が陽性だったのである。「マダム、ご心配には及びません」というコメントつきで!
近所のクリニックへ行って、ファックスを見せると、医師は満面の笑顔になった。
「フランスは、素晴らしいね! 僕は、結婚する女性には、血液検査をするようにって勧めているんですよ。トキソプラズマは、妊娠初期に感染するのが一番危険だから、妊娠がわかった時点で検査して陽性だと、いつ感染したのかわからなくて悩んじゃうからね」
もっとも、フランスで結婚の時に健康診断書が必要なのは、エイズが蔓延しているからだ。その時点でお互いはっきりさせてから結婚しろという意味だ。
いずれにしても。
あのとき、どんな子どもでも受け入れる覚悟をしたのは、決して無駄ではなかったと思う。
私の神様からの、メッセージだったのかもしれない。
エネを妊娠したことがわかり、幸せムードのある日、かかっていた近所のクリニックから電話があり、話があるからすぐに来院して欲しいと言う。内容を聞いても、直接先生の口から聞いて欲しいの一点張りで埒が明かなかった。
子宮ガンの検査をしたから、その結果がよくなかったのか?
非常に不安な気持ちで眠れない一夜を過ごし、クリニックへ行くと、
「血液検査の結果、トキソプラズマの抗体が陽性になっていた。妊娠前から抗体があるのであれば問題ないが、妊娠してからだと、赤ちゃんが水頭症などになる可能性がある」
と、言われた。
ショックで口も聞けないまま職場へ行き、黙って仕事をした。そのときのあらゆる風景を覚えている。
帰宅後、夫にそれを話した。時には涙ぐみながら、静かに話し合い、どんな子が生まれても、大切に育てようという気持ちがお互いに強いことを確かめ合った。もっとも夫はカトリックなので、最初から何の選択の余地もないわけだったのだが…。
気持ちを固めて母に電話したら、母もショックを受けて…
「そんな!私は、玉のような赤ちゃんが生まれてくるとばかり思っていたのに…」
母の涙声を聞いたら、無性に悲しくなった。
その辺のノラ猫を可愛がってしまう自分の習慣を、呪った…。
しかし。
私と夫は、あることを思い出した。
フランスでは結婚する際、区役所に出す書類の中に、健康診断書というものがある。
そのため、夫の家族のかかりつけのクリニックで、私たちは健康診断を受けたのだ。あの時、血も採られた。ということは!
夫は実家に電話して、クリニックの医師に連絡を取ってもらい、そのときの私の血液検査の結果をファックスしてもらった。すると! 私は、その時点で、トキソプラズマの抗体が陽性だったのである。「マダム、ご心配には及びません」というコメントつきで!
近所のクリニックへ行って、ファックスを見せると、医師は満面の笑顔になった。
「フランスは、素晴らしいね! 僕は、結婚する女性には、血液検査をするようにって勧めているんですよ。トキソプラズマは、妊娠初期に感染するのが一番危険だから、妊娠がわかった時点で検査して陽性だと、いつ感染したのかわからなくて悩んじゃうからね」
もっとも、フランスで結婚の時に健康診断書が必要なのは、エイズが蔓延しているからだ。その時点でお互いはっきりさせてから結婚しろという意味だ。
いずれにしても。
あのとき、どんな子どもでも受け入れる覚悟をしたのは、決して無駄ではなかったと思う。
私の神様からの、メッセージだったのかもしれない。
コメント
役所に提出するまではこの国ではとうてい叶わないでしょうけれど
結婚前に行うことが日本でもルチーン化すればいいのになと思います。
ちょうど昨日避妊についての講義をして
カトリック教とオギノ式につい話したところだったんですよ^^
トキソプラズマの抗体のお話・・拝読して、
ブライダルチェックって大切なのね、としみじみ感じました。
娘たちが結婚する際にはしてほしいなぁ。。
それから 先日はとても嬉しいコメントを頂き、
どうもありがとうございました。
お返事にも書いたのですが、
私の目はいつも空に向かっているのです・・^^
「どんな子でも~」に関して、今の僕には凄く分かるような気がします。
予断を許さぬ状況で初めてその覚悟が出来ました。
嫁と一枚岩で頑張っていこうと、長女さんの話を読んで改めて思いました。
結婚式などに大金を使うなら、身体のチェックにも少し費用をまわすという意識が広まるといいですよね。
「♡ブライダル・人間ドック♡」なんていうのが、流行ればいいのにと思います。
☆しおんさま
しおんさんは、年頃のお嬢さんがいらっしゃるから、いっそう気になりますよね・…
トキソプラズマは、健康な人が感染しても問題はないのですけれど、妊娠中に初めて感染するとよくないそうです。
しおんさんが写す空は、澄んでいながら、深みがあって、神秘的な気配を感じます。
きっと、しおんさんと空との対話が、写真に現れているのでしょうね…
☆Kei.Kさま
手術の成功、本当によかったですね!
赤ちゃんの誕生も待ち遠しいですけれど、奥様と二人きりでいられる最後の数ヶ月を、どうか慈しんでお過ごしくださいね。