ウォークインクローゼットの中にいたら、
ハンガーにかかった洋服たちが揺れだした。
「わたしが洋服を想う熱い気持ちがこの子たちに伝わって、波動になって揺れている…」
と、最初思った。ブンミおじさんの世界観を引きずっていた? それとも例のめまいかしら?とも。

そのうちにタダ事じゃないと感じてリビングへ行ったら、
岡本太郎ドラマを見ていたエネが切り替えたNHKを見て、地震だと確信し、エネ・カデと3人でテーブルの下にもぐった。
テーブルの脚につかまりながら、「早くおさまりますように」と祈った。
生まれて初めての大きな揺れが長く続いて、ものすごく怖かった。
テレビの音声で、震源地が遠いとわかって、少しほっとした。

揺れがおさまってから、カデットは親友の家に遊びに行った。
そのあとも余震が続いたので、エネと迎えに行ったが、カデット達は遊ぶ気満々で、親友ママも大丈夫と言ってくれたので、託した。
5時半には帰るように言ったのに6時になっても帰ってこないので、エネに迎えに行かせたら、親友の家でずっとテレビを見ていたら怖くて帰れなくなったとのこと。

フランスからはメールやスカイプがじゃんじゃん入り、
「大丈夫、心配しないで」
と返事をするのが忙しかった。
(特に夫!大丈夫だって言ってんのに、スカイプで何度も呼び出してくる)

母の家は、最初の一撃の後、すぐつながったが、そのあとはなかなかつながらなかった。
5時半位にようやくエネがかけた電話がつながった。
7時くらいに、カデットが30分くらいチャレンジして、もういちどつながった。

エネの学校では、親が迎えに行けない生徒はお泊まりするらしい。
たしかに、子供にとっては片道歩くだけだけど、親は往復歩かなくちゃならないから、遠くに住んでいたり、小さな兄弟がいたりしたら、迎えに行けないもんね。

我が家に被害はなかったが(それどころか、わたしの机の上の2段になっているお手製本棚の、その上に積み上げられている本や資料やジタンなどが、そのままの均衡を保っているのである!)、トラウマになりそうな地震だった。

子供たちに、
「どーする?日本、地震あっていやだね。フランスに引っ越す?」
と、訊ねたら、
「いやだ。日本に住む。日本に地震があるから引っ越すなんて、好きで付き合っていた男の子に、実は中指がないのがわかって別れるみたいでいやだ」
と、エネが言った。そして、
「第一、日本は地震で出来た島。地震があるのが自然なの。地震はこの島の深呼吸のようなもの」
と、解説した。

そーか。深呼吸なら、付き合うしかないんだね。

コメント

むささび
2011年3月12日0:07

詩人だな、エネちゃん! 深呼吸なのね。納得しました。

karia
2011年3月13日12:07

みなさんご無事でなによりでした・・・

メロンパンナ
2011年3月14日0:20

☆むささびさま

本当に大きな、大きな、深呼吸でしたね…


☆かりあさま

ありがとうございます。私たちは大丈夫です。

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