もちろん、私は「死刑廃止派」だ。たとえ家族が殺されたって、犯人に死刑を!とは叫ばないだろう。
理由はいくつもあるけれど(冤罪の可能性とか、犯罪の抑止力があるとは思えないとか)、一番の理由は生理的に厭だから。死刑が。

森さんは、本書の執筆のために、取材する。死刑囚、元死刑囚、被害者の家族、刑務官、教誨師、弁護士らにインタビューを重ね、考える。そしていちいち、素直に悩む。
思考のロードムービーだ。

たどりつく彼の結論は、「廃止」。
もともと廃止よりだったのだが、悩みを積み重ねた末の、感情むき出しの叫び。

だから逆に。
日本やアメリカで死刑が存置しているというのは、論理とか倫理とかのレベルではなくて、ただ「生理的」「感情的に」にそれを望んでいる人たちが多いってことなんだなあと、妙な具合に納得した。生理・感情的にそれを望んでいる人たちの主張を論破するのは、不可能だもの。

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