ムッシュLと奥さん
次女のフランス語の先生のムッシュLは、大きくて、ふわふわして、年齢不明・正体不明の人物だったが、先週、レッスンのあと、一人の日本人女性を紹介してくれた。
「僕の奥さん」
ひゃー、妻帯者だったのか。私も次女も、勝手にムッシュLは独身だと思っていた。
だって、なんとなく…
なんとなくなんなんだ?

いっつも黒い服を着ているムッシュLと同様に、奥さんも黒い服を着ていた。
彼女も年齢不明・正体不明な感じがしたが、私に対して、うんと年上の人に対するようなしゃべり方をしたので、きっと、うんと若いのだろう。

それにしても、フランス人男と日本人女のカップルって、ホントに多いなあと。私たちが結婚した頃もそこそこいたけど、最近、激増しているような気がする。
相性いいのかね? ウチは相性悪いけど?

まあ、日本人女性は、温和で奥ゆかしい(らしい)から、ある種のフランス人男性(気弱なタイプ)からは好かれるだろう。
でもって、日本独特の男尊女卑的な思想・生活習慣にうんざりしている日本人女性が、リベラルなフランス人男性に惹かれるのもうなずける。

うん、でも、そしたらばだよ?
残った日本人男性とフランス人女性はどうなるんだ?
この人たちは、抜群に相性悪いだろうねえ?



今日は次女をフランス語教室に送り届けてから、迎えに行くまでの間に渋谷へ出て、ロフトでお買い物をした。
次女専用のお弁当箱とお箸と水筒。
どれも大人と同じサイズ。
わたし、お弁当作るのは好きじゃないけど、お弁当箱を買うのは好き。

漫然と買い物をすると渋谷は疲れる街だけれど、
こうして1時間限定で買い物するのなら、緊張感があっていいかも。

昨日の午後は長女の学校の保護者会に出かけた。
学校全大会→学年全体会→学級懇談会と、3時間にもわたる保護者会だったが、それぞれ場所を移してのお話だったので、それほど退屈はせずにすんだ…(学年全体会なんて、柔道場だもん!思わず正座してしまいましたわ)。

担任の先生に、英検の2次試験に行き忘れたことを詫びると、
「私は長年、英語の教師をやってきましたが、病気や、部活動の大切な試合と重なって泣く泣く2次試験をあきらめるケースはありましたが、お嬢さんのように、『ただ単に忘れていた』というのは、初めてです」
と、言われた。こっらー、馬鹿娘、私の怒りにまた火がついた瞬間だったよ?


とはいえ。
長女の親友のお母様と久しぶりに会って、お話できたのが嬉しかった。
お嬢さん同様、とってもチャーミングなお母様で、お話もすごく面白い。
大学のとき、落研だったそうで、納得!!

彼女のおうちでは、長女に関する話題が頻繁に出るそうで、ウチでは、長女がその親友の話をしょっちゅうしている。ホントに相思相愛だなぁと思う。
入学してすぐに仲良くなって、2年間、その友情は途切れることなく続いている。
あとの4年間も、その先の人生も、ずっと仲良くしていそうな二人。


ところで。
親友のお部屋には大きな本棚があって、お母様が学生時代に愛読した三島由紀夫全集が並んでいるそうだ。
ウチは、リビングの本棚に、やはり私が若い頃よく読んだ三島由紀夫のおびただしい量の文庫本が納まっている(ついでに言うと、トイレライブラリーにも三島本は何冊かある)。
でもって、今時の中学生である長女と親友は、
「なんで、お母さんたちって、三島由紀夫が好きなんだろうね? うちの中の本を整理して、ブックオフに売るとしたら、まず、三島由紀夫から売りたいよね。鬱陶しいもん」
と、余計なお世話意見まで一致しているのである。オイオイ、人の本を勝手に売るなよ?



次女の学校の保護者会が午後からあったので、その前に次女の親友のお母さんと、A通りにできた新しいフレンチ・レストランでお昼を食べた。

ランチメニューの「サーモンとブロッコリーと卵のガレット」を頼んだら、
「サーモンがなくなったので、シラスになります」
と、言われた。シラス…?しらす干…?
私はしょっちゅうブルターニュへ行くので、ガレットに関しては詳しい方だと思うが、シラスのガレットは初めてだ。っつーか、フランスにシラス干はないもんね。

出てきたのは、やっぱりシラス干で…
卵は半熟よりもっと固いのがごろごろしていて…
正直、不味かった…
(でも、あたし、大人だから、完食しましてよ?)

ワイン通の女性タレントからお花が贈られていたが、既に存続が危ぶまれると見た…
A通りは、飲食店の移り変わりが激しい。

ママ友達はフルタイムで働いているのに、今年度、PTA本部の役員をしていた。
仕事との両立がきつくて、はたで見ていても辛そうだったから、
「来年度は絶対引き受けちゃダメだよ!」
と、去年から念を押していたのに、来年度も引き受けたという。
「なんでー???」
「最初は1年でいいって言われたから引き受けたけど、結局、2年やることが暗黙の了解だったんだよね。それでも、役員選考委員の人には、もう出来ないって言ったんだけど、今まで一緒にやってきた本部の人たちに、どうしても!あと1年!!って頼まれたら、断れなかったんだもん…」
日本でお母さんやるって、ホントに大変だと思う瞬間…。

でもって、保護者会。
この1年の間の出来事を振り返り、子供達がどれだけ成長したかを、先生は熱く語ってくれた。
そのあと、来年度の委員決めになって…
私は、またもや委員を引き受けた。
今回は短期間で活動が終わる委員だが、これで3年連続で委員をすることになる。
この後はもう2度とやらないよと、周りにも、自分にも宣言しつつ。


保護者会のあと、私が座っていた席に、その席の持ち主のお母さんが、机の中身を点検に来た。道具箱がボロボロで(あと4年間使わなきゃならないのに!)、
「虫が食ってるみたいだわ」
と、おっしゃるので、
「あ、さっき、中で何か動いてたよ」
と、冗談で言ったら、
「まじで!?」
と、真剣にガサ入れを始めた。
「うそ、うそ、冗談だったら!」
と言っても、彼女の顔つきは変わらなかった。
道具箱の中で虫を飼う男の子がいるという話は、ホントだったのかー。
びっくりさせてごめんなさい、○○君のお母さん…。

近隣の小学校が何校か集まって、マラソン大会が開催された。
去年も参加した次女は、今年も「もちろん参加する!」

というわけで、夫と長女と私の応援団を従えて、開催場所までタクシーで乗り付け(小さなマラソンランナーの体力を消耗させないため)、参加登録。そして私は、他学年のレースは他人事のように眺めつつ、次女のお友達のお母様たちとのおしゃべりを楽しみ(何しろ昨日がバレンタインだったので話題が豊富!)、2年生の本番では、気合を入れて応援!

出だしでしくじって、びりっけつでのスタートだったし、最近体調が今ひとつだったのでドキドキしたが、先頭がゴールしてしばらくしてから、余裕でさわやかな表情で入ってきて、私の胸はきゅんと鳴った。
「ねえ、今、次女ちゃん、入ってきたね? すごくイイ感じの顔してたね?」
しつこく長女に確認してあきれられた…

結果は、1.2キロを5分29秒。50人くらいの中で35位。
もう、お母さん的には、大満足の結果です。

「わたしは、ずっとマイペースで走ったの。足の速いお友達が見えなくなっても、あせらないで、無理をしないで走ったの。そしたら、最初のうちすごい飛ばしていた子が途中で歩くみたいになったから、何人も追い越せた…」

そもそも去年、マラソン大会へ参加したいと言われたとき、私は反対したのだ。体力のない次女に無理をさせたくなかったし、それに、それに、寒空の下で応援するのが、いやだったんだもん。
でも、
「わたしは、体が弱っちいから、鍛えたいの!」
という次女の言葉で、参加を決めた。
そして、実際、寒い中、一生懸命走る子供たちの姿を見て感動し、次女の頑張りを見て涙が出そうになった。

次女のマラソンに関して、私は思い切り親ばかになるね。
長女なんか、小学校の6年間、1度も参加したことないもん(話題にすらならなかった)。
その長女は、明日、学校の体育で皇居一周だそうで、まー、せいぜい頑張ってくれたまえ(冷たい)。

この!寒い!時に!!
小学校には、半袖半ズボンの男子たちがいる。

なんでも、一年通して半袖半ズボンで病欠しないと、「健康賞」というのがもらえるそうで。
それを手に入れたい男子は、意地になって、半袖半ズボン。
薄着育児を宗教のように信仰している親の子も、半袖半ズボン。

でもさ、朝の登校時間の半袖半ズボン君たち、寒さで、腕も脚も真っ赤になってるのよね?
見てるほうが寒くなるよ。

日本では薄着育児が奨励されているけど、フランスの育児書にはそんなこと一言も書かれていない。冬は保温が大切!って、しつこいくらいに書かれている。
アメリカで育児を経験したお母さんは、半袖半ズボン君たちを見て、びっくりしてた。
「アメリカだったら、虐待かネグレクトかって感じで、親が訴えられちゃうよ」って。

私は今の時期、次女に、下着を入れて3枚着せて、上着は「北極」を着せて送り出す。
下校時は「北極」を着ないで持って帰ってくることが多いけど。
(その上着を「北極」と呼ぶ理由は忘れた…多分、北極の子供が着ていそうだから? 北極の晴れた空のようなブルーだから?)

長女はといえば、私の心配圏外。
スカート丈が短いと学校で注意されたそうで(ウエストのところで二つ折ってるんだもん!でもって、中には防寒ミニスパッツを穿いてる!)、3回注意されると保護者呼び出しだそうで、
「お母さん、そんなことで学校に呼び出されたたら、○○のこと、うちから追い出すからね!」
と、締め上げといた。

へ、行ってきた。学年全体だったので、大きめホールを使っての保護者会。
保護者の出席率は非常に高く、軽く100%は超えていた(夫婦で来る人たちがいるから)。

 様々な話題があったが、進路指導の話になると、みなさん、ぐっと身を乗り出されるのに、まず、私はひいた(私は一番後ろの席にいたので、よく見えたのだ)。まだ、あと4年も先の話なのに…。
しかし校長は。はっきりと明言されたのだ。
「高校2年までにセンター入試の準備は万全にして、3年生になったら、それぞれの志望先に必要な科目を重点的にやります。難関国立にも、医学部にも、対応する心構えが、教員一同、できています」と。
そーか。どおりで長女、せっせこ勉強しているわけだ。高校の数学の参考書とか買ってるから、なんで?と、思ってたけど。
でも、まあ、本人の行きたかった学校だ。せいぜい頑張って、勉強してくれたまえ。

そんなことより!
12月は、行事の関係などで、早起きして弁当を作らなければならない日が多いという事実を知り、私はうなだれた(こんなことでへこたれているダメ母は、私くらいだろう…)。

保護者会は2時間近くも続き、もーなんだか疲れて、帰ってきた。

長女の話。
「今日、数学のとき、先生が問題を黒板に書き写してたのね。
そしたら、先生が突然、『あっ!!』とか言って、キョドってんの。
でね、語り出したのよ~。
その先生はね、長崎の離島に住んでたの。それで、高校受験のために、一人で船に乗って、長崎の大きな町に来たのね。で、高校へ行って試験を受けたんだけど、回りは知らない人ばかりで、自分は一人ぼっちで、すごい不安だったんだって。不安で不安で、ドキドキしながら、問題を解いたんだって。でー、そのとき、数学の試験に、これと全く同じ問題が出たんだって。先生、ウルってたよお」

「いい話じゃん。てゆうか、試験に出た数学の問題を、何十年たっても覚えているところがスゴイね。さすが、数学の先生だね」

「大学出た後、一般の企業に就職したんだって。でも、数学だけを考える人生を送りたかったから、会社やめて、学校の先生になったんだって」

「すばらしーね。まさに天職」

「でもさ、あの先生、マジ数学しかできないよ。一応理系なんだから知ってるかなと思って、理科の電気のこととか聞くじゃん? そうすると、わからないって言うもんね。胸張って」

いや、それにしても。
島に住むの少年の、ドキドキ具合が、妙に愛しく感じらるよ?
そのときは、自分が将来、東京の学校で生意気な中高生相手に数学教育に身を捧げるとは、夢にも思っていなかったでしょうね。

今日は1日中、次女の学校に詰めて危険箇所マップを作り、その合間に、体育館で開催されている展覧会を見た。

校舎と体育館をつなぐ通り道は、子供たちの切り絵を張ったビニールの壁で覆われ、ちょっとした異空間が誕生していた。

個々の作品は、次女の学年に限って言えば、先生が材料をそろえて、コンセプトを決め、その方向性に沿って、かろうじて子供たちが個性を発揮するという感じで、どれもこれも同じようなテイストだった(ちょっと気味が悪いくらい…)。

もっと自由にやらせればいいのにと思うが、自由にやらせるとしっちゃかめっちゃかになって、展覧会としての収拾がつかなくなるのか?

体育館の舞台では、暗幕を引き、暗闇の洞窟が演出されていた。そこに、5,6年生が、光を発する塗料で描いた大きな作品が並び、現代美術のインスタレーションのようだと思った。

きっと、図工の先生は、現代アートがお好きなのだろう。

まず、次女の泌尿器疾患が悪化の傾向にあることを伝え、学校での配慮をお願いした。

すると先生からは、次女が今朝のスポーツタイムから首を痛がり、授業以外の時間は保健室で寝ていたとのお話が。
頚椎の亜脱臼以来、彼女はしばしば首を痛がるのだ。
しかし、前回の診察で、骨の角度に問題はなかったので、今回は安静にして様子を見ることにする。

さて、本題。
「家ではどうですか?」
「先生が面白くて、学校が楽しいそうです。先生のおっしゃる、愉快なことを、私にたくさん教えてくれます」
「学校では、おうちの話をたくさんしてくれますよ」
「え?な、なんの、話でしょう?」←いきなりキョドるワタシ。
「お母さんの話とか、お姉さんの話とか」
わ、ワタシの話…?しかし、根掘り葉掘り聞くのも恐ろしいような気がして、話題を変えた。

「算数、一番レベルの高いクラスへ入ったら、みんなもう、習う前に、九九なんかとっくに暗記しているって、本人、かなりコンプレックスを感じています」
(この学校の算数は小学2年生から習熟度別なのだ)
「ああ、あれ、異常ですね。塾で先取りしてきている子が非常に多くて、僕もびっくりしています。僕は、予習などもせずに、学校に来て欲しいんです。学校で勉強を習うわけですからね。僕は、白紙の状態の子供に、勉強を教えたいんです」
「わかりました!正々堂々と、白紙の状態で、学校へ行かせます!」

他のお母様方には評判の悪いY先生だが、私は好きだ。小学2年生のするべきことをきちっとさせて、後はのびのびと放っておく感じ。

学童に次女を迎えに行って、帰り道に聞いた。
「ねえ、先生やお友達の前で、おうちの話してるの?」
「うん」
「たとえば?」
「パパが怒ったとき、テレビのリモコンを床に叩きつけたこととか」
はあああああ!?!?!?
確かにそんなこともあったけど、そんなこと、他人に言うかあ?それに、あの後、夫は後悔して、うなだれて、謝っていたじゃないか…
ウチ、暴力家庭の烙印押されたかも…?
「あとは?」
「うーん、忘れた。私の口が勝手におしゃべりしたことなんか、いちいち覚えてないよ」

覚えておいて下さいよ、口はあなたの一部なんですから。
ってゆうか!家庭内でのことをべらべらしゃべらないでよ(涙)

英語
テンション上げ上げのイギリス人女性と、テンション程々のアメリカ人男性の、お二人の先生が、コンビで教えてくださる授業だった。テンション上が、フルスピードで生徒たちを盛り上げ、テンション中が、盛り上がりそこなっている生徒のフォローをするというスタイル…
ウチの長女は、テンション上と目を合わさないよう、地味に息を潜めていた…

休み時間、テンション上が、参観していた保護者に、授業の趣旨を説明した。
「この授業では、日本語禁止です。生徒同士でもです。スピードが速いとお感じになったかもしれませんが、それは、生徒たちにトランスレーションをする時間を与えないためです。頭の中で日本語に変換させずに、直接、英語を理解させるのです」
というようなことを、英語で(!)、日本人の保護者に向かってお話されたのだ。
なんかねえ。
まるで、来日した外タレミュージシャンが、英語わかって当然だろ?って顔して、英語でMCをしているみたいで、感じ悪いなあ。
と、心の中で反抗的な気持ちになった。

国語
「走れメロス」
太宰だぜ。あれ?ダザイは、苗字で呼ばれてる。オウガイ、ソウセキ、トウソン、ケンジ、アンゴ、文豪と言えば、名前呼びなのに。まあ、オサムじゃ、迫力に欠けることは確かだけどね。
とゆうことは。大作家になりたかったら、平凡な苗字と、インパクトのある名前のペンネームがよいのかしら?
と、早くも私の頭は脱線モード。
と、思ってたら、もっと脱線している女子がいた。物語の中の「王」と「暴君ディオニス」を別人だと、勘違いして読んでいたのだ。だから、彼女の理解した物語の中には、「偉くて怖くて威張っている人」が、二人いることになっている。
先生がその間違いを指摘したら、
「でもぉ、マイワールドのなかではぁ、そういう人が二人いるってことになっちゃたからぁ、もう、なおせません!!」
だって。
私、なんだか、嬉しくなっちゃって、心の中で拍手。

どういうわけか。
中学校へ行くと、私は、中学生の気持ちになってしまう。保護者や先生の立場ではなくて、生徒の立場で、反抗したり、悪態をついたりしたくなる。
(小学校では、さすがに、そんなことはない)
つまり。
私は、中学生以来、精神年齢が上がっていないんだわ。

ムッシュL

2008年9月24日 子供の学校
マダムNがアフリカへ行ってしまったので、次女のフランス語のプライベートレッスンの先生は、今月からムッシュLになった。

ムッシュLは、巨大なマシュマロみたいにふくよかで、年齢不詳な雰囲気を漂わせている。
(夫に「その先生は僕より若いのか?年取ってるのか?」と尋ねられて、私も次女も答えることが出来なかった…)
人柄も非常に温和で、語り口がやわらかくて優しい(←フランス人男性には珍しい)。

次女はと言えば、普段はうるさい位おしゃべりなのに、ムッシュLを前にすると、緊張してしまって、まるで借りてきた猫。彼の問いに答える声は、ささやくようなフランス語で、お前は、シャルロット・ゲンズブールか?カヒミ・カリィか?と、突っ込みたくなる。

小さなフランス語学校の小さな部屋の片隅で、ふたりのひそひそ話のようなフランス語を聞いていると、なんだか、おとぎ話の世界で妖精のおしゃべりを盗み聞きしている気分。

今日は授業の終わりに、
「マダム、退屈でしたか?」
と、声をかけられ、はっと目が覚めた。

早く次女がこの先生に慣れて、私がいなくても大丈夫になって欲しいなあ。

次女三昧

2008年9月12日 子供の学校
本日。午前は次女の学校で、校外委員から保護者に配るお便りの印刷・ホッチキス止め、配布の手配。
午後は、次女の友達5人がやってくる。
夕方、そのお母様方がお迎えに来ておしゃべり。

次女は、今日、先生から、「すぐいじけるところがよくない」と、言われたそうだ。よくぞ言ってくださった、Y先生(←お母様方からの評判は最悪の先生なのだが)。そうなの、次女はすぐ、いじいじして、めそめそして、人をうらやましがったりして、そういうとこイヤだなあと思っっていたのだ。それって、日本語で、「いじける」って言うんだよねえ。
「いじけるのは、よくないよ。治していこ。お母さんも協力するから」
と、言ったら、
「何年もかかるよっ」
だと。(すでにいじけてる?)

しかしながら。そんな合間に、クラリネット吹きの友人が、北海道・花畑牧場生キャラメル(激美味!)を持って来てくださったり(私がフランスで買ってきたリードの調子がよいとのこと)、友人Nからお便りが届いたりしたので、許す!(何をだ?今日という日をだ!)

夏休みとはいえ、今週はずっと夏期講習で、今朝からは某高原へ勉強合宿に旅立った長女(あたしに朝の5時に弁当を作らせた憎いヤツ!)である。

去年の保護者会で、そのスケジュールのきつさに、親たちが驚いた。朝9時から夜9時まで勉強だもんね。いちおう「自由時間」があるので、散歩でも出来るのかと思ったら、「それは、『自由に』勉強すると言う意味です」と説明されて、わたしゃ、思わずのけぞりましたよ。「高原ですけど、外を歩く機会なんてないですから、登山靴など必要ありません」なんて念を押されちゃたりしてね。

でも、子どもたちは何の疑いもなく、楽しそうに旅立っていく。
まあ、要するに。この学校は、勉強が好きな子供しかとっていないんだなあ。

(おとといの3者面談では、「成績、いいですよ。がんばってますね。委員の仕事もきっちりこなしているし、部活動でもリーダーシップをとっているし、お友達関係も良好で、全く問題ありません。」だと。なんだって、うちの子がこんなにほめられるんだ?なんだって、あたしの子が、こんなに優等生なんだ?)
「今日は勉強DAYよ!あした、算数のテストがあるの。わたし、くり下がりのあるひっさんが苦手だから、いっぱいやりたい!お母さん、ドリル買って!」
と、学校から帰ってくるなり、次女が言うのであった。
しかし、ドリルなんか買いに行くのが面倒くさい。ので、ネットでちょいとググッたら、おあつらえ向きの問題がざくざくと…
印刷してやったら、彼女はそれをノートに写して、一心不乱に計算した。

「できた!いっぱいやったよ!」
ノートを見ると、160問もやってあった。
答え合わせは、私が電卓でぱちぱちと…
間違っていたのは3問だけ。

すごいなあ。集中力あるなあ。お母さんは、あなたのこと、尊敬しますよ。

それにしても、テスト前は必死こいて勉強しなくちゃならないというのは、中学生の長女の影響である。
小学2年生は、そんなガリ勉しなくっていいのよ〜
長女の学校の授業公開週間なので、数学と英語の授業を見学してきた。

数学の先生が、授業の最後に、
「わかったのと、出来るのとは、違うからね。
みんな、そこのところ、勘違いしないように。」
と、言ったのが印象的だった。
「授業で聞いたり、友達同士で説明しあったりして、わかった気になっても駄目なんだ。、実際に問題を自分ひとりで解いて、正解を出して、初めて、出来たということの一歩になるんだ。そして、本当に出来るようになるためには、一人で、問題を沢山こなすこと!」

ふむふむ。
これって、数学だけじゃなくって、人生でのいろんな場面に当てはまるなあと。
過去を振り返って、反省してみたりなんかして…

英語は、スライドを見ながらのヒアリングで、アレー、あたしって、英語、完璧にわかるじゃん!と、こっそり内心、自画自賛。ま、中2の英語ですからね。当たり前か。(もっともこの学校の中2は、中3の英語をやってるんだけど、それにしてもね。)

だがー!
休み時間、長女に「△△ちゃーん」と、手を振ったら、シカトされた…
「何で無視すんのよー?!」と、詰め寄ったら、
「恥ずかしいからやめてよ」だと!
次女だったら、
「あ、おかあさーん!」と、飛んでくるのにね。ふん。
学校公開週間なので、ちょいと見に行った。

算数は、繰下がりのある引き算。
少人数制で、教室に子供は20人。面白く教えようと思えば、ウンと面白く教えられると思うんだけど、先生自身がその仕組みを説明するのに必死で、子供の興味を引く余裕がなかった。

そのためなのか、それとも発達的に問題があるのか、教科書も開かず、ノートもとらず、のらりくらり寝そべったりしている子がいて、副校長先生がつきっきりでその子のフォローをしていた。

その副校長先生も、担当の先生の教え方がいまいちだと思ったのか、最後のほうでは教壇の方へしゃしゃり出て、ひっさんの仕方のアドバイスを始めた。

次女はと言えば、隣の男の子が教科書と赤鉛筆を忘れたため、それらを貸しながらの授業とノート取りで、しまいには貸してやってる赤鉛筆で顔をつつかれそうになったりして、なんだか気の毒だった。

ので。帰ってきて、そのことをねぎらうと、
「別に?あんなのいつものことだよ?」だって。

まあ、たくましい、ということにしておこう。

帰宅後はお友達の誕生日パーティに行ったのだが、迎えに行って、そこのお母様にお話をうかがうと、2回も喧嘩をしたそうで、どうも、複数の女の子同士で遊ぶのが苦手ならしい。

お友達と二人きりで遊ぶときは、大丈夫なんだけどね…

いずれも、長女の子育てでは経験しなかったことばかり。(キャラ違い過ぎ)。
「二人目だから、楽でしょう?」と言われるが、全然そんなことはない。
だって、次女を育てるのは、初めてなんだもんね。
私は、次女育ての初心者なんです。
長女と入れ違いに小学校に入ったので、この学校での運動会は、8回目になる。
あと4回残されているのかと思うと、うんざりする。
私は、小学生のお母さんという役割が、好きでない。

しかしながら。
その日がやってきたら、早起きして、お弁当作って、砂埃の立つ校庭に赴き、それなりに楽しむふりをしなけりゃならない。
私に、選択の余地はない。

昼食。
次女の親友の家族と一緒に食べた。
そこのお家は、立派な重箱にご馳走が沢山詰まっていて、うっとりした。
ウチは、夫が外人であるため(?)、重箱を贈られる機会が少なからずある。
が、私のアクセサリーボックスになったり、他の雑貨を入れたりなどして、用途以外のことに使っている。
そのことを、そのお母さんに言ったら、パッとご主人のほうを向いて、
「○○ちゃんのママ、重箱が一杯になるくらい、宝石を買ってもらっているんですって」と、おっしゃった。
いや、そーじゃなくて、わたしの持っているアクセサリーなんて、ジャンクばかりなのよ、と言ったが… ちらっとこちらを見てウィンクして、ご主人への攻撃の手を緩めなかった。

むはー。
私は、宝石や、高価な時計は、自分で稼いだお金でしか買っていない。
人に買ってもらうと、なんだかその分、魂と体を売ったような気がするので。

それにしても。
やっぱり、重箱に食べ物が入っているって良いなあと思った。
あったりまえじゃん?ねえ?

次女は、徒競走ではびりだったけど、「あたしは亀だから!」と、全く気にせず。
そして自分の赤組が逆転優勝したので、大喜び!!
帰宅後も、興奮して、赤組応援歌を歌い、白組にエールを贈っていた。
自分たちで作った小道具を使ってのナントカ節踊りにも、大満足のようだった。
よかったねえ。日本に暮らせてて。
フランスの学校には、運動会も、学芸会も、入学式も、卒業式も、何にもないからね。
私は、ブラームスのクラリネットソナタを聴くと、何かに、身を投げ出したくなる。(何に?海に?空に?恋に?ベッドの上に?)

本日。気持ちのすっきりした次女と私は、手をつないでK野公園を通って、フランス語教室へ。
今までお世話になっていた先生が、ご主人の仕事先のアフリカへ行ってしまうことになった。
「あと数年で定年だから、これが最後の赴任先になるの。最後くらいは一緒に暮らしたいわ。子供も独立したしね」
がーん。ショックを隠せない私。やさしくて、愛情が深くて、根気強くて、これ以上の人はいないと思っていたから。
でも。
もちろん、私は彼女の人生を応援しますわよ。いままで、異国の地で、一人で子育てをして、ご苦労様でした。

で、次。
「何人か候補はいるけど、どんな先生がいいか?」と、教室を運営している人に聞かれる。
「第一に、やさしい人がいいです。日本語は出来なくていいです。というか、たとえ出来ても、出来ないふりをしてもらわなくちゃ困ります。相手に日本語が通じると思った瞬間から、娘はフランス語を話す努力を放棄しますから!!」
本日、私は下校時パトロール。
地域の方々と、腕章付けて、襷かけて、通学路を練り歩く。
今日は、自宅と反対側のエリアだったので、知らない小道や、公園などの発見があって、意外と楽しいのだった。
「ここは芸能人の○○が住んでいる」などの情報も、盛りだくさん。
畏るべし、地域の方々。

次女はお友達の家へ。
そこのうちのお母様も今日お誕生日だったので、合同誕生会ということで。
トルコ桔梗の花束を携えて駆けつけたら、大変喜んでくださった。
そこのお母様のお友達の台湾人の方もいらして、台湾の話をたくさん聞けた。

台湾と中国の関係は、難しいねえ。
部外者はあーだこーだ言えるが、当事者は、その複雑な心境を簡単には表せないのだと感じた。

それにしても!
ウチの次女と同い年の、彼女の子供は、家では台湾語を話し、学校では北京語を話し、日本人といるときは日本語を話し、英会話学校にも行っているそうで。

ウチなんか、日本語とフランス語だけじゃん?
どーってことねえなあ。
昨日。
次女の担任の家庭訪問。
「自分の言いたいことをしっかり言えるお子さんです。それが長所でもあり、ときにはお友達とのトラブルの元になります」だと。

家庭訪問の日は4時間で終わるので、午後がたっぷりある。次女はお友達4人を連れて帰ってきて、遊ぶ、遊ぶ、遊ぶ。
女の子5人が、あーだ、こーだ言いながら、折り合いをつけて。
ピアノの連弾 + 木琴 + カスタネット + 指揮 の合奏がなかなか素晴らしいのであった。
5時にお母様方がお迎えがてらいらして、お茶する。
5人の中では、ウチが家庭訪問のトップバッターだったので、皆さん、興味津々。
件の次女へのコメントは、
「それって、みんなに言うんじゃない?だって、小学校2年の女の子の大部分に当てはまるもん」
ってなことで、うなずきまくり。
7時過ぎまで母たちは、あーだ、こーだ言って、お帰りなすった。

次女は小さなとき、「こども」って言えなくて、「こもど」と言っていた。
「裸んぼうになる」ことを「はばんこになる」と言っていた。

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